2019年2月15日金曜日

「お金」より「信用」か?


先日のNHK番組「クローズアップ現代+」で巨大企業がビッグデータをベースに人を格付けする社会が到来しつつある、という恐ろしき現象を特集していた。特にこの特集の中で驚かされたのは、中国で流行っている「ゴマ信用」という格付けシステムである。これは中国のEコマース企業でAmazonに並ぶ大企業「アリババ」がネット上で提供している「信用度」の格付けサービスである。
<2004年講演時のパワーポイント>
実は私は2004年頃から講演を受けるたびに【21世紀は”こころ”の時代】をテーマに話をし、その中で「これからは中央集権型社会から権限分散型社会に変わって行くので、”人・もの・金”重視の時代から”信用・信頼”重視の社会が到来すると主張して来た。2010年頃には文科省からの「緊急人材育成支援事業」としてハローワークでも無料の「人材育成プログラム」が施行され、そのプロジェクトの中での講演の際にも、「まずは自分の得意なもの探し出し、それを仕事に結びつけ、その上で人との信用度UPに努力せよ」と話をしていた事が思い出される。
<2010年ハローワーク・パソコン講座にて>
「信用の格付け」に就いては、すでに日本でも、例えば、みずほ/ソフトバンクが50/50で出資している(株)J.Scoreなどの格付けサービスが有るが、このサービスが中国で流行し始めた事が恐ろしい。中国は一党独裁の国だけに、一般市民が「金持ち」になる道は是迄はほとんど閉ざされているのだが、この「芝麻(ゴマ)信用」サービスを一般市民が利用して、信用度を上げる事によってお金持ちになれるし、愛も手に入れる道が開けることになれば、一体これから中国はどんな国になってしまうのだろうか。中国政府の舵取りが注目だ。

2019年2月2日土曜日

イギリス人女性の日本僻地一人旅


2月にある集まりで小生が「一人旅の魅力」をテーマに講演する機会を頂いた。現在その準備でパワーポイント制作に取り組んでいるが、「一人旅」ですごい人を見つけた。それも時代は明治時代初期(明治11年)、それも女性で、日本の奥地を一人旅したのだ。横浜を5月20日にスタートして、春日部~日光~新潟~楯岡(山形県)~新庄~秋田~大館~青森、そこから船で北海道に渡って、函館~森から船で室蘭へ、そこから海岸沿いに白老~苫小牧~平取まで行って”アイヌ人の生活”を観察し、復路は室蘭まで戻り今度は陸地に沿って、伊達~長万部~森〜函館まで戻って、そこから船で一挙に横浜まで戻って来るのだが、横浜到着が9月17日と言うからおよそ4ヶ月で僻地行脚を成し遂げた強靭な女性で、その名を「イザベラ・ルーシー・バード(47歳)」という。この旅に一人だけ通訳・案内人としてずば抜けた英語力のある「イトウ」が同行している。彼女は旅の道中、妹に手紙を44信送っているが、この内容を纏めて2年後に『日本奥地紀行』としてイギリスで発刊している。
彼女は体が弱かったので「転地療養」が一番と海外旅行を始めるが「種の起源」のダーウィンに「日本行き」を進められ、彼女は”最も安全で美しい国”が「日本」と信じて旅立ったという。しかし6月からの日本は梅雨の時期で、それはそれは田舎道で泥と塗れ、滑っては転び、そして蚤としらみとの悪戦苦闘の旅であったが、彼女の文化比較の目は鋭くノンフィクション作家として抜群でビックリ仰天である。民族学者の宮本常一も彼女の本を読んで講義を行っており、それが「イザベラ・バードの旅」として講談社から発刊されているが、これまた彼らしく日本文化との比較で読んで大変に面白い。是非「ひとり旅」にご興味有る方にはお薦め本として次の3冊を紹介します。
①『日本奥地紀行』イザベラ・バード著、高梨健吉訳 平凡社ライブラリー
②『イザベラ・バード「日本奥地紀行」を歩く』金沢正脩著 JTBパブリッシング
③『イザベラ・バードの旅』 宮本常一著 講談社学術文庫