2016年1月18日月曜日

悲憤慷慨(その3)遂に世界中がギャンブル場と化した!

昨年末 悲憤慷慨のブログを2本ほど書きなぐったが、年明けてまた悲憤慷慨を書いているが、誠に乱世の真っ只中と言うことか。年が明けると早々に世界中で株安が起こり、そして原油安、あれよあれよの内に中国が株式市場で「サーキットブレーカー」とか言う彼らだからこそ出来る勝手な手法を突然使って世界を驚かせた。結果として、中国は投資市場に於いても信用できない国だと言う事を新年早々に世界に証明した事になる。
2年半前つまり2013年10月のブログで面白かった本『強欲資本主義 ウォール街の自爆』(神谷秀樹著 文藝春秋)を紹介したが、この本での結論は「強欲な金融市場が自制するとは思えないので、行き着くところまで暴走し致命的な第2のリーマンショックを待つしかない」と言うものだったが、小生は今それが刻々と迫って来つつあるように感じてならないのだ。それを解説してみよう。
つい数年前に中国が米国に次ぐ経済大国にのし上がったが、しかし一極体制下の中国には米国型資本主義的経済にはなじめず、中国の経済大国の地位は短命と見ている。それにも拘わらず中国指導の「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」に現在世界の40カ国が参加している。恐ろしい。特にヨーロッパの諸国が簡単に参加を表明した背景には強い米ドルを意識したものだろうか。しかし「世銀」のある米国と「アジア開発銀行(ADB)」を持つ日本がこのAIIBに参加しなかった事がせめてもの救いである。
<中国の【一帯一路】戦略図>
最近では中国の歳入は激減、一方で債務は4倍以上に膨れ上がり2014年でも債務負担額はGDPの3倍近くになってしまっている。世の常として「急上昇した場合にはその後に急降下がある」は自然の理であり、日本はかつて「バブル崩壊」で体験済みである。この度の中国の経済急上昇はもう天井に突き当たり遂に急降下過程に入ったとみる。そこで周金平は世界から金を集める目的でAIIBを作り、次に「シルクロード基金」を創りアジア諸国から出資者を募った。所謂【一帯一路】プロジェクトと称してシルクロードに沿って基礎インフラ、資源開発、産業協力を謳い文句に『シルクロード経済帯』を作り大きな中国勢力圏とするシナリオである。その裏には国内景気の後退による生産過剰、市場過剰在庫をその勢力圏に振り当てたい本音が垣間見える。

しかしこのようなギャンブル経済の本当の癌は実は米国に有るのだ。それはニューヨークの「ウォール街」なのである。地球上の経済をここまでメチャクチャにしたのは金融資本が世界の経済を操る主役と化し、主役であるはずの実業を営む企業が資本家の奴隷と化してしまった結果なのであると前出の神谷秀樹氏は指摘していたが全くアグリーである。2008年の「リーマンショック」の時に「ウォール街」は一旦死にかけたのだが、当時のブッシュ政権は7100億ドルを「ウォール街救済策」として使い生き返らせてしまった。もうここまで格差が開いた社会を継続することは決して世界平和ではないので、今度不幸にして「第2のリーマンショック」が襲ってきた際には、みんなで経済を縮小する方向で我慢し、つまりは「ウォール街」には本来あるべき姿に変身、つまり”実業を営む方たちの脇役”に徹した姿に切り替えさせ「強欲化した資本主義」からおさらばしたいものである。

0 件のコメント:

コメントを投稿