なぜ私がこんな事を考えたのか、その原因は雑誌「日経ビジネス 2013・1・7号」を読んだことにある。この号では「動き出す未来 シリーズ①」として【幸せな資本主義】と題し特集を組んでいた。その中に、これから世の中は、「株主主義」から「人本主義」に変って行くと書かれていて、岩井克人氏(国際基督教大学客員教授)が「株主主権の一人勝ちは終った」と述べていた。
しかし私はこの『人本主義の到来』を「会社の概念が変る」と言った狭義に捉えるのでは無く、「人間性を重んずる社会がまた到来する」と言った広義に捉えたい。
「人本主義」を国語辞書(新小辞林)で調べてみると、『すべての心理・知識は人間の要求・選択によって、生まれ制約されているという思想』でつまり「人文主義」とも言うとある。それでは「人文主義」とは何かを同じ国語辞書で調べると、『ルネッサンス期のイタリアに起こった思想で、ギリシャ、ローマを範とする人間性の発揚を強調する運動』でヒューマニズムと同義とある。
私はエッセイ【日本復活私論】の中で次のように説明している。
『欧米型人間中心主義(資本主義)は終焉を迎えつつあり、世の万物が持つサイクル〔誕生→成長→成熟→衰退→終焉〕から考えればこれまでの近代文明は行き詰まって、これからはD種族で且【森の民】である日本人が地球自然と共生する社会を返り咲かせる』
と私見を述べている。その地球自然との共生社会の概念が私の言う【人本主義】である。つまり簡単に言えば「資本主義」の「資」である「カネ」を最優先にしていた世界から、文字を「人」に置き換えただけだが、「人」を最優先にするのが【人本主義】である。
今日もこれから東銀座の「築地社会教育会館」において、私は『日本は復活する・・・その為のビジネスモデルは』というテーマでスピーチするのだが、この「人本主義」に関しても話題にしてみたい。