2010年8月29日日曜日

訪ねて欲しい『布文化と浮世絵の美術館』



今年の夏はどうしたのでしょう。異常な暑さが続き9月の半ば過ぎまでこの極暑が続くそうです。そんな猛烈な暑さの8月22日の日曜日、11時に家を出て歩いて浅草『Amuse Museum』に向ったのです。余りの暑さに頭がおかしくなったとしか考えられません。炎天下の真昼間にわざわざ歩いて出掛けたのですから。しかし外に出て歩いてみて、何とこれが最も暑さを凌ぐ最高の方法と気づきました。歩いていれば気は紛れるし、そして何と言っても日陰に入れば外の風が爽やかに感じてしまうのです。

1時間半ほど歩いて浅草寺の二天門のそばにある『Amuse Museum』に入ったのでございます。
この美術館は「布文化と浮世絵の美術館」と言われ、特に青森県・下北出身の民俗学者「田中忠三郎」氏の布類のコレクションの展示に驚かされます。
とにかく皆さん、この猛暑の中で部屋でエアコンをガンガン回して我慢しているより、この美術館を訪ねて古き時代を眺めて「涼しさ」を実感して頂いてはどうでしょう。(入場料大人@千円) これが本当のエコ的週末の過ごし方かもしれません。
(上記写真が「二天門」でその上の黒い看板が立ているビルがAmuse Museumです。)

そしてお勧めは、その美術館の屋上に出てスカイツリーの伸び具合を眺めてください。
(左の写真が8月22日時点での伸び具合です。)
更に最後に美術館の出口で田中忠三郎著『物には心がある』を購入の上(定価:千円)、一読してみてください。きっと今の生き方を見直す何かのヒントを与えてくれそうです。
その本の中でのほんの一部を以下に紹介してみたいと思います。

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民具を求める旅の途中、あるお婆さんからこんな話を聞いた。

「台所で泣くと『女は台所で泣くものではない』と姑から言われ、夜 寝床で泣くと『うるさい』と夫が怒る。我慢しろと言われるばかりで、女には泣く場所すら無かった」。(略)
普段着、労働着、晴れ着・・・と多様な服が、様々な材料で作られてきた。衣服作りは婦女子にとって、日中の激しい労働を終えてから、睡魔と格闘しながら行う夜なべ仕事であった。
激寒の冬、板の間に座って針仕事をする主婦は、家族の者たちがみな寝静まった後、囲炉裏の残り火をかき分け、その明るさと、わずかな暖で作業をした。
素肌の片膝の上で麻の繊維を糸による仕事は言語に絶する苦痛を伴い、感覚の全く失われた冷え切った膝を道具として使ったという。(略)
このような食もおぼつかない状況の中でも、婦女子にとっては衣は欠かせないものであった。一枚の麻布が、多難な作業の末に出来上がる。それを紺に染め、麻布の荒い目を木綿糸で刺し縫いすることは、防寒、保温、補強の用途だけでなく、女として美しくありたいという願いがあり、だから「こぎん」「菱刺し」の模様を作り出してきた。「暗く貧しい青森」と言われた地で、なぜ豪華で緻密なこぎんや、色鮮やかな菱刺しが生まれたのだろう。そこには自然と共に暮らした人々の叡智があり、四季折々の風土の中で素直に生きた証がある。(略)
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今では、電気洗濯機に衣服を投げ入れ洗濯石鹸をいれてON,タイマーをセットして炊飯器をON,いつでもお湯が沸いているポット、クーラーをONにしてTVを掛ければ24時間お目出度い番組で溢れ、これは何かが狂っているのではと思いませんか? そう、丁度ここ連日の激暑と同じように。
この本で昔に触れることで、何かに気づき日々の生活の中で改めることが発見出来ればと~~。

2010年8月16日月曜日

若い女性達の前で講話




8月16日の月曜日、体が解けてしましそうに暑い暑い一日でした。今日は「お盆明け」の日できっと高速道路もUターンラッシュで一日中混むのでしょう。私はそんな日の朝、8時台に横浜・関内に向けて家を出ました。私にとっては大変にめずらしい一日のスタートだったのです。


今日はネイリストを目指して勉強している若き女性達に講話することになていたのです。10時から50分+50分の2コマで中間に10分の休憩が入ります。若い女性22名の前ですから、皆に飽きさせないように聞いてもらうように話の内容には大変に気を配りました。前半の50分は「地球規模の変革とは」を分かりやすく話をして、次の50分では、「自分の発見と遣り甲斐について」をお話しました。勿論皆さんが眠らないように生き抜きに途中途中に私の経験談などを入れましてお話をして参りました。皆さんが眠ることなく私の話を聞いてくれまして、暑い暑い一日でしたが、私にはとても気持ちがいい一日となりました。感謝しております。

2010年8月14日土曜日

遂に最新のHP完成


5月に入ってHPの製作に取り組みました。ラッキーにも私の息子のヘルプを得ながら出来る限り最新の技術を取り入れ、およびインターネット上の無料のサービスを活用したシステムの構築に努めました。
思えば私のHPの歴史は2000年にマイクロソフト無料ソフト「Front Page Express」で作り上げ小生の油絵作品を掲載して【油絵仲間を探しています】という題名で掲載したのが始まりです。
そして2001年からエッセイを書き始め、それもHPに掲載を始めました。2005年には初版【伊那谷と私】を発刊、そして「文京を歩くかい」がスタートし、さらには講演の内容などをHP上で紹介するようになり徐々に内容が広がって行きました。

10年も前のHP設計ですから古臭くなった感が有りまして、この度全く新規に設計をし直した訳です。日常の出来事や意見の発信は<ブログ>にて、油絵などは<写真アルバム>として「Picasa」を利用、またマイクロソフト無料ソフト「Windows Photo Story 3」を利用して写真をスライドショーにし、さらにそれに動きを与えBGMを添えて映画風に編集して<私のビデオ>として「YouTube」へUpするなど新しいテクノロジーを取り入れて作り上げました。しかしやはり初代HPも捨てがたく、<懐かし版>として残しました。
是非ご覧頂きまして、忌憚のないご感想をメール頂ければ幸甚に存じます。

2010年8月6日金曜日

『鯖街道』と2つの手紙

◆私は『鯖街道』を歩き、人間による自然破壊に大いに怒りを感じました。そしてそれに関して2つの手紙が行き来しました。最初の手紙は7月20日に私から「総合地球環境学研究所」に出状されたのです。


拝啓 暑中お見舞い申し上げます。
突然の出状をお許しください。
小生はすでに年金生活者ですが、今年の5月連休明けの10日から3泊4日で「鯖街道・根来坂峠越え」を歩いて参りましたが、新緑に包まれた古道は大変にすばらしい景観でした。しかし一方で廃車や粗大ゴミが人気のない山道に激しく捨てられている姿に直面して大変にショックを受けて参りました。

突然に○○殿にお手紙する切っ掛けは、この鯖街道を歩いて4日目の最終日、鞍馬寺から鞍馬街道を京都に向って下りてまいりますと、二軒茶屋の町を過ぎて暫く行きますと、何と「総合地球環境学研究所」のバス停の所に出てまいりました。この時点ではこの研究所がどのような機関であるのか知りませんでした。

7月に入りまして「人間文化研究機構」主催のシンポジューム 7月9日『知の役割・知のおもしろさ』、そして7月16日『食・生物多様性と文化多様性の接点』に参加させて頂き、その時に貴研究所がこの機構のメンバーである事を知りました。小生はこのめぐり合わせに驚きました。そのシンポジュームにて各氏の講演を聞いたのですが、どうも専門分野が違うように感じまして、申し訳ないとは存じますがまずは○○殿の方に連絡を取ってみようと、出状させて頂いた次第です。

私が問題指摘したいのは、日本はこれから「観光立国」として取り組んで行くに際して、このように自然を破壊するような悲しい姿をまず取り去って行かねばと考えています。このような活動はどこの部署でしているのか?文部科学省ではどんな対策を考えているのだろうか?などなど、もし○○殿がお分かりでしたらご教授頂ければ幸甚に存じます。

ご参考に小生の駄文エッセイ『鯖街道・一人歩き』および自分で製作したDVDを同封してありますので、もしお時間が許したらその酷い一面をご覧頂ければと思います。

ご多忙とは存じますが、よろしくお願い申し上げます。
これからまだ暑さ厳しい折、ご自愛ください。
敬具


◆これに対して7月27日付けで次のようなご返事を頂きました。

拝復

先日はお便りを頂きまして、ありがとうございました。また人間文化機構のシンポにもおいでいただきまして、重ねてお礼を申し上げます。

さて、鯖街道でのゴミの不法投棄のお話、ほんとうに胸が痛みます。大型家電具の処分の有料化が始まってから、日本の里山から原生林まで、車道のあるところはゴミ捨て場なってしまいました。もちろん違法なので、警察に努力してもらうぐらいしか、当面の対策はないのだと思います。

「観光立国」として国土交通省から派生して環境庁が発足しましたが、そこまでは手が回らないのではないでしょうか。文部科学省はユネスコ担当なので、世界遺産などは視野に入っていますが、基本的には都道府県が具体的な対策を考えるしかないのが実情です。ただ、そもそも道徳教育がなっていないというなら、文部科学省の初等教育担当の部局も無関係ではありません。

わたしどもの総合地球環境学研究所では、地域に根ざした観光という問題には取り組んでおります。この秋に刊行予定の「地球環境学辞典」にも「持続可能なツーリズム」という項目を設けて、わたしが執筆しております。また沖縄などの南西諸島で、「地元の宝」を探す活動もやっておりますので、その成果本などをお送りいたします。

今後とも、よろしくご指導いただければ幸いに存じます。

敬具