2013年11月25日月曜日

横浜西洋館を訪ね歩く

<アメリカ山公園にてI氏による行程の説明>
11月24日 快晴の日曜日、【歴史と文化を語る会】に参加して、横浜の「山手地区」を歩いて参りました。目的は横浜開国の歴史に触れ、山手の洋館を訪ねるという志向。集合場所はみなとみらい線「元町・横浜中華街駅」に午後2時。しかし初っ端から驚かされました。 この駅を出てエレベータに乗りますと、一挙に「山手外人墓地」のある山の山頂「アメリカ山公園」に出てしまうのです。下から上ってくると大変な場所が今では一挙に天辺に着いてしまうのです。そのアメリカ山公園の芝生にて今日のコースに関する解説が行われました。参加者は全部で12名。今日のコースは「横浜市イギリス館」→「山手111番館」→「山手10番館」→「山手234番館」→「エリスマン邸」→「ベーリック・ホール」と巡り、それから中華街に出て「懇親会」といった行程です。

<横浜イギリス館>
<山手111番館>











<スペイン瓦>
今日のガイドをして頂いているI氏は一級建築士であり伝統技法研究者でもある方で、最初の訪問先「横浜市イギリス館」に関して、「この建物は屋根が“スペイン瓦”で覆われています」の説明に関心を持ちました。そして次の「山手111番館」に来ると「この建屋の屋根には“フランス瓦”が敷かれています」の解説にまた驚き! その違いは左の写真で示して置きましょう。スペイン瓦は円筒の管を半分に割りそれを交互に重ねて行くデザイン、そしてフランス瓦は日本瓦に似ていて重ね葺きに繋げてゆくデザインだそうです。


<フランス瓦>
そして今日最後の「ベーリング・ホール」の建屋も“スペイン瓦”が使われているそうです。
これら洋館は関東大震災ですべて破壊されそうで、横浜を逃げ去った外国人に戻ってもらおうと、日本の建築家(例えば浅香吉蔵)によってヨーロッパ建築を再建したそうです。日本人の匠技は本当に大したものですね!

<壁泉の例>
今日の洋館めぐりでは、もう一つ興味をもった設計があります。それは庭の塀や建屋の壁に張り付いた動物の顔したお面の口から水が出る噴水、これを【壁泉(へきせん)】と言うそうですが、これにも大変に興味を持ちました。

そして打上の懇親会は「横浜中華街」に出て、「横浜婆祖廟」に寄って今日の無事を感謝してお参りをした後、予約先の広東料理のお店で美味しい料理を皆さんで楽しみました。


<山手234番館・設計者は浅香吉蔵>




2013年11月15日金曜日

今年も『日本スリーデーマーチ』を歩く

さぁ!スタートだ
今年も、11月2~4日の3日間、東松山市で開催の『日本スリーデーマーチ』の初日20kmを歩いて参りました。初日20kmは『和紙の里、武蔵嵐山』コースで私に取ってはここ数年2日目に参加していたので、このコースは久しぶりでした。
昨年は35回の節目と言うことで大変に派手に催していたと記憶していますが、それに比べ今回は昨年よりはチョット静かさを感じました。それでも催しの冠に「日本」と付くだけあって、さすが日本一のウオーキング・イベントで、朝の東武東上線「東松山」駅は平日の通勤ラッシュのごとく人でごった返しておりました。スタート点になっている「松山第一小学校」の校庭には、この3日間だけは世界の国々から、そして日本の各地からウォーキングが好きな人々で溢れかえっているのです。


市野川べりに出て
このコースの特徴は、全体的にフラットなコースですが、スタートしての小一時間は住宅街を通り抜ける単調な道で今一つなのですが、市野川の土手沿いに出ると、田園風景に変わり視界がパット開けて気持ちがいいのです。途中「鎌倉街道」に入ると「鬼鎮(きじん)神社」を通過。この神社は鬼を祀っているので節分の時には「福は内、鬼は内、悪魔外」と変わった連叫で有名だそうで、節分祭には近隣から多くの人を集めるそうです。およそ10km歩いた中間点が「菅谷館跡」となり、その公園の芝生にて10時半には早い昼食を取りました。
「菅谷館(すがや・やかた)」とは、平安時代末期から鎌倉時代を生きた「畠山重忠」の住居と伝えられ、その広大な土地には空掘りなどがあるところを見ると「お城」のような設計になっていたようです。畠山氏はそもそも「秩父平家」の系譜を引いていて、その後源頼朝に仕える「御家人」となり、鎌倉入りの際には先陣を努め多くの手柄を立て、頼朝からも厚く信頼されていました。しかし幕府内の勢力争いに巻き込まれ北条氏の陰謀により42歳の若さで二俣川(現在の横浜市旭区)にて討死した、平家と源氏の両サイドを渡り歩いた悲劇の主人公のようです。

昼食後は都幾川の河岸段丘に沿って歩き、「原爆の図」で有名な「丸木美術館」を通過、「唐子中央公園」を抜けて関越自動車道を跨いでスタート地の中央会場に到着したのが午後1時半。早速東松山の名物「焼きトン」と生ビールで乾杯! 毎年の事ながら、すこぶる健康的な一日でした。
丸木美術館・ 『原爆の図』