2010年8月6日金曜日

『鯖街道』と2つの手紙

◆私は『鯖街道』を歩き、人間による自然破壊に大いに怒りを感じました。そしてそれに関して2つの手紙が行き来しました。最初の手紙は7月20日に私から「総合地球環境学研究所」に出状されたのです。


拝啓 暑中お見舞い申し上げます。
突然の出状をお許しください。
小生はすでに年金生活者ですが、今年の5月連休明けの10日から3泊4日で「鯖街道・根来坂峠越え」を歩いて参りましたが、新緑に包まれた古道は大変にすばらしい景観でした。しかし一方で廃車や粗大ゴミが人気のない山道に激しく捨てられている姿に直面して大変にショックを受けて参りました。

突然に○○殿にお手紙する切っ掛けは、この鯖街道を歩いて4日目の最終日、鞍馬寺から鞍馬街道を京都に向って下りてまいりますと、二軒茶屋の町を過ぎて暫く行きますと、何と「総合地球環境学研究所」のバス停の所に出てまいりました。この時点ではこの研究所がどのような機関であるのか知りませんでした。

7月に入りまして「人間文化研究機構」主催のシンポジューム 7月9日『知の役割・知のおもしろさ』、そして7月16日『食・生物多様性と文化多様性の接点』に参加させて頂き、その時に貴研究所がこの機構のメンバーである事を知りました。小生はこのめぐり合わせに驚きました。そのシンポジュームにて各氏の講演を聞いたのですが、どうも専門分野が違うように感じまして、申し訳ないとは存じますがまずは○○殿の方に連絡を取ってみようと、出状させて頂いた次第です。

私が問題指摘したいのは、日本はこれから「観光立国」として取り組んで行くに際して、このように自然を破壊するような悲しい姿をまず取り去って行かねばと考えています。このような活動はどこの部署でしているのか?文部科学省ではどんな対策を考えているのだろうか?などなど、もし○○殿がお分かりでしたらご教授頂ければ幸甚に存じます。

ご参考に小生の駄文エッセイ『鯖街道・一人歩き』および自分で製作したDVDを同封してありますので、もしお時間が許したらその酷い一面をご覧頂ければと思います。

ご多忙とは存じますが、よろしくお願い申し上げます。
これからまだ暑さ厳しい折、ご自愛ください。
敬具


◆これに対して7月27日付けで次のようなご返事を頂きました。

拝復

先日はお便りを頂きまして、ありがとうございました。また人間文化機構のシンポにもおいでいただきまして、重ねてお礼を申し上げます。

さて、鯖街道でのゴミの不法投棄のお話、ほんとうに胸が痛みます。大型家電具の処分の有料化が始まってから、日本の里山から原生林まで、車道のあるところはゴミ捨て場なってしまいました。もちろん違法なので、警察に努力してもらうぐらいしか、当面の対策はないのだと思います。

「観光立国」として国土交通省から派生して環境庁が発足しましたが、そこまでは手が回らないのではないでしょうか。文部科学省はユネスコ担当なので、世界遺産などは視野に入っていますが、基本的には都道府県が具体的な対策を考えるしかないのが実情です。ただ、そもそも道徳教育がなっていないというなら、文部科学省の初等教育担当の部局も無関係ではありません。

わたしどもの総合地球環境学研究所では、地域に根ざした観光という問題には取り組んでおります。この秋に刊行予定の「地球環境学辞典」にも「持続可能なツーリズム」という項目を設けて、わたしが執筆しております。また沖縄などの南西諸島で、「地元の宝」を探す活動もやっておりますので、その成果本などをお送りいたします。

今後とも、よろしくご指導いただければ幸いに存じます。

敬具

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