私は「ねこ」と「いぬ」のどちらが好きですか?と聞かれると、即座に「いぬ」と返事します。その理由は、「いぬ」は俊敏で賢く、「ねこ」はのろまに見えるからなのです。
私が中学生のころ雑種の柴犬「ピケ」を我家で飼っていたのですが、当時は庭に犬小屋を置き殆ど放し飼い状態でした。当時は区役所が「犬狩り」と称して、路上で放し飼いの犬たちを捕まえて東大病院の裏手にある檻に運んでいました。捕まった犬は、ある期間に引き取り手が無ければ、医学上での実験に使われ殺されてしまうのです。 そんな訳で私達はその「犬狩り」の人たちを「犬殺し」と言って恐れていました。「ピケ」も何度かその「犬殺し」に捕まって、慌てて母と東大病院の裏に引き取りに行ったものです。檻に近づいて「ピケ~~!」と叫ぶと一目散に檻の出口に来て「キャンキャン」と真剣な顔をして吼えていた「ピケ」が忘れられません。
しかしそんな時代、私は「ねこ」に対しては悪いことばかりしていました。特に夜中に盛りの付いた「ねこ」同士があたかも赤子が泣くような声をあげていると、「ぱちんこ」(Yの字の形をした枝にゴムを結わい付けて遠くに物を飛ばす玩具)を使って「かんしゃく玉」を飛ばして、大嫌いなあの泣き声をとめていたものでした。
しかし子供の頃そんな悪事を「ねこ」に与えていたことを深く反省致しまして、そのお詫びの印に、心を込めて「ねこ」の油絵を描こうと決めました。カレンダーからかわいい子猫の写真を模写し、ファッション雑誌に載っていた女性の姿の鼻から下の部分を描き加え、窓を付け、その外には私の駐在地「シンガポール」の風景を描き込んだ創作画を完成しました。そして題名を【ねこ様】と付けさせて頂きました。これで「ねこ様」からの祟りが無いことを祈ります。(サイズF8)
2011年8月5日金曜日
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