私は「文芸春秋」の定期購読者ではない。新聞の広告、電車内のチラシを見て、面白そうと興味を引いた時だけ書店で購入している。八月号は【巨弾特集 戦後70年 崩壊する神話】が目玉記事だが、私を引き付けたのはその特集ではなくその下に書いてあった【習近平暗殺計画】であった。
読んでみて目玉の「巨弾特集」は内容は今ひとつだが、何が巨弾か推理してみるとページ240~334となんと100ページ近くを占めているということか。53氏にそれぞれテーマを持って2ページほどの短文を書いてもらったのだろうが、「戦後日本の神話の徹底分析」というには、余りにも多岐にわたり過ぎて支離滅裂でこの特集は大失敗。例えば、あの石破茂先生が「キャンディーズでアイドルは終わった」なんていう文章を書き、櫻井よしこ女史が「憲法9条は70年前に死んでいる」という題名を言い間違えたようなエッセイを書いている。
ところで興味を引いた【習近平暗殺計画】は加藤隆則氏によるすっぱ抜き特ダネだそうで、読んでみて中身は大した内容ではなかったが、むしろ私に興味を引かせたのは、彼が「読売新聞社」の記者だったが、この特ダネ記事が「ボツ」にされたことに腹を立てて読売を辞職した事と、その後その記事を文芸春秋社が取り上げたという事にあった。
以外に面白かったのが【「中華膨張」南シナ海支配の最終段階】で中国が何故南シナ海をコントロール域にしよと躍起になっているかの目的が語れているが、元海上自衛隊最高幹部の会談だけに真実味を感じた。そして【「太平洋戦争の肉声」日本型リーダーの致命的な欠陥」】も現在の安倍総理の国会での動きにダブッて、戦争は避けねばならぬと再確認させてくれた記事だった。結果的には掲載記事の8割がたを読んでしまったのだから、月刊誌価格800円は安かかったのだろうか。それにしても世間では国会議事堂を覆うアベ騒動やオリンピックに関連した無責任な大人たち、かと思えばサラリーマン社長のはずかしい東芝問題などなど、一体日本はどうなっているの。今夏の異常な高温は益々頭を狂わせ続けるのだろうか。