2016年3月24日木曜日

俳句とインバウンド

今、俳句が海外でも盛んになってきているらしい。あるラジオ番組の中で、日本の俳句人口はインタネットで調べるとおよそ1000万人らしいが実質は200〜300万人程だとすれば、海外の俳句人口と変わらないと言っていた。
外国語で俳句を作ろうとすると、5・7・5の構成は甚だ難しい。海外俳句は、自然を愛しその美を表現する短文が俳句精神だとして創っているらしい。
東京新聞で特集している【平和の俳句】で選句されている俳句が、口語調のものや季語の無いものが多く見られ、私は腹立たしく思っていたのだが、グローバルな時代を迎え、古典俳句で意地を張っていても時代錯誤では、と反省せねばならないのかも知れない。外国の俳句が日本語に翻訳されて入ってきている”インバウンド”の時代なのだから。
今朝の東京新聞のコラムに、EU初代大統領のベルギーの首相を務めたヘルマン・ファンロンパイさん(68)が詠んだ句<青海に環なす星星末永く>はEUの象徴である「欧州旗」をイメージし、”末永く”と祈りを込めて詠った句という。その星の環の中心であるEU本部のあるブリュッセルで同時多発テロが起き、30余人の命を一瞬にして奪った。そして押し寄せる難民をどう受け入れるかで、国と国そして市民と市民の間で衝突しているが、この悲しい現実が「俳句の世界」の広がりで平和を齎せてくれたらと思うのだが。

そこで一句、
<ゆく春やテロのニュースに明日わが身> (翠敏)

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