11月23~24日文京区シビックセンターで開催されている『いきいきシニアの集い』に油絵を出展しました。今回は2002年、今から16年も前に描いた油絵なのですが、写真でご覧の様に大変に不安定な格好をしており、また周りの茶色い部分は粘土の上に着色しており、手で触れると色が手に付いてしまうので展示するには不向きでした。
従ってこの絵は過去16年間他人の目には触れずじまいでしたが、今回は思い切って出展してみました。格好が、格好だけに皆さんの注目を浴びたようです。作品の題名は『考古楽(アンバランスとバランス)』です。
さてこの絵は、古代に栄えたキプロス島の港コウリオンで発掘された一組の男女と子供の遺骨で3人は抱き合っていました。紀元365年にこの集落を襲った地震で一瞬にして地中に葬られ、発見される日を待っていました。母は子供を胸に抱きしめ、それを夫が守るように覆い被さっています。これが人間の本能と信じます。夫の骨盤は崩れていますが、母の骨盤は長い年月を経てもしっかりと形を残していました。やはり母は偉大です。
この絵に動きを与えようと、私は子供の部分だけを生まれだての赤子に表現し、更に足元に絡みつく蛇を、そして左上に土に隠れた「デビル(悪魔)」を描き加えています。
この絵が完成して額を探したのですが、四角のどんな額に入れても絵が引き立たないのです。そこで、「なんで額は四角でなければならないのか?」と考え始め、角材とベニア板を買ってきて”アンバランス”な額を作り、それにこの絵を入れますと、何となんと期待していたイメージが出て来たではありませんか。つまり骸骨の絵がアンバランスな額とバランスを取ったのです。
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