驚きのニュースが世界を襲ている。それは『パナマ文書』だ。しかし日本のメディアは、それがあたかも外国での出来事のように報道している。この問題とは国の大企業や富裕層が税金を逃れる為に税金の掛らない国(タックス・ヘイブン)にペーパーカンパニーを作りそこに送金して”金隠し”をしていると言う問題。タックス・ヘイブンに会社を開設する為には、それ専門の「法律事務所」を介するのだが、今回はその法律事務所から膨大なデータがハッキングされて世に流失してしまったのだ。タックス・ヘイブンの一つに「ケイマン諸島」があるが、そのケイマン諸島だけで日本からの租税回避の金額が何と55兆円で世界第2位だそうだ。2012年の日本の税収が45兆円だからそれ以上の金がタックス・ヘイブンに持ち出されていたと言う事。貧乏人の私たちは、そんなことも知らずにせっせと納税をしていたことになる。
そんな立場にある日本のメディアは何故これを「大問題」として報道しないのか?それは、メディア関係のスポンサーが殆ど大企業であり、またこのメディア界には富裕層も多いため、自分で自分の首を絞めるのを避けているのだろう。
しかし5月には日本でもタックス・ヘイブンを利用していた大企業や富豪が公表されるとの噂もあり是非期待したい。この度の「TPP案件」の様に衆院・特別委員会で野党が交渉経緯を求めたところ政府から”真っ黒塗り”の資料が出て来たのには開いた口が塞がらなかったが、この「パナマ文書」問題も、何事も無かったように時が経って行ってしまうのだろうか。
しかし、「ユニクロの失敗」や「セブンイレブンの人事騒動」などなど毎日の出来事を見るに一歩一歩【欧米型資本主義】(つまり”マネー資本主義”)の限界点に向かって、日本を含め世界が最終章を演じている真っ最中なのだ。
私の13年前のエッセイ『伊那みすず日記』の中で詠んだ”ヘイケ物語”が思い出される。
『ウォール街の鐘の音 諸行無常の響きあり
高遠小彼岸桜の花の色 官僚必衰の理をあらわす
奢りたかる者 久しからず ただ春の世の花のごとし
カリスマも遂に滅びぬ ひとえに風の前の塵に同じ』
おそまつ。
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