2017年4月9日日曜日

日本の教育貧困と日本語学校の繁栄

ご承知のように「日本の教育環境」は世界の中で最悪なのである。「国をよくして行くにはまずは教育にあり」と私は信じているが、どうやら日本政府では、「国をよくして行くにのは経済力だ」と考えているようだ。具体的数字で見てみよう。経済協力開発機構(OECD)の発表では、国内総生産(GDP)に対して国の教育への支出への割合は世界平均が4.7%に対して何と日本は3.5%で世界平均以下(2012年データ)。本当に子供達がかわいそうだと思う。日本の大学の世界ランキングが年々下がって行くのも当たり前の話。「東京大学」も今やアジア内ですらトップの座から落ちて、シンガポールや中国の大学の下に位置し7位という恥かしさ。昨年辺りから文科省が「職業大学」新設などと騒いでいるが、これも単に「大学の専門学校化」のようなもので、ダメ大学の援護策のような無能施作。そんなつまらない策でも非力な大学は便利屋さん(官僚)の雇用に躍起となり「役人天下り」愚策が蔓延してしまった。
こんな古典的停滞分野でもバプッテいる世界がある。それが留学生を受け入れている「日本語学校」なのだ。現在日本語学校は600校を越え、学生数は10万人を越えると言われている。例えば日本最大の1部上場日本語学校「明光義塾」の学生数は数年前には200~300人だったのが、現在は2000人規模。彼らは留学生として日本にくるが、授業料を稼ぐためにアルバイトに走る。しかし勉強と労働の二重生活の苦しさから脱落して行く学生も多い。日本政府は2020年に向けて「外国人留学生30万人計画」なんぞを打ち出した。この影に出稼ぎ目的の「偽装留学生」にも簡単にビザが下りている状態という。2020年のオリンピックの時には未曾有の人手不足に直面するわけで、これら偽造留学生がいずれその時の単純労働を担っている人たちだと思うと憂鬱な気持ちにさせる。(参考:週刊誌「週刊新潮」4/13号)

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